2019年振り返り(という名の好きもの語りby淡夏)
人間、一度先延ばしにすると、次に手をつけるタイミングが分からなくなってしまうものです。
例えば机の整理。
重要度の低い書類をポンと置き、その上に色んなものが積もりに積もって「整理しよう、生理しよう」と念じはするものの、気付けば大きな山となる。
いざ取り掛からなければいけない時には、さあ、大変。
チリも積もればという言葉を身に染みながらも、どうしてこう学習しないのでしょう。
このブログもそうです。
定期的な更新を、と頭の片隅で警鐘は鳴れど、イマじゃないとズルズルと時は流れ。
気付けば、いつもの年の瀬に。
そんなこんなで書き出したは良いものの、今年は本当に反省の一年でした。
ネガティブな話ばかりになるので詳細は省きますが、どうもやりたいこと、送りたい人生から遠ざかっている気がしています。
来年こそは、何とか。
さて少し話を切り替えて、今年触れたもの感想を簡単に。
〇劇場アニメ
・Fate/stay night Heaven’s Feel - lost butterfly –
説明不要なのかもしれませんが、やっぱりこの劇場版の凄いところは監督の作品に対する解釈とアウトプットの仕方でしょうね。
同じ作品を体験したはずなのに、その解釈があまりにも繊細で大きく、自分が見てきたもの以上の味わいをぶつけられて、自分の作品に対する想いの小ささを思い知らされました。
・ラブライブ! サンシャイン!! Over the Rainbow
巷での評判は低いですが、俺は大好きです。
確かに劇場版にする内容なのかと言えばOVA 4本分くらいのものかなとは思いますが。
それでもAqourは、そしてSaint Snowはそう決断したんだなと納得することが出来ました。
「今ままでやってきたことは、全部残ってる。何一つ、消えたりしない」
この台詞が全てだと思います。
・PSYCO-PASS – Sinners of the System –
軽い気持ちで観に行ったんですが、想像以上に良かったです。
一つ一つ語りたいですが今回は割愛。
ただ一つだけ。
『PSYCO-PASS 3』はどうしてああなった……。
・コード・ギアス- 復活のルルーシュ-
そもそもの大前提の部分が受け入れられないものなので、そこさえ除けば面白かったんじゃないでしょうか。
・響け! ユーフォニアム 誓いのフィナーレ
本音を言えば、テレビ版アニメの尺で見たかった。
それだけ密度が濃いので、もっとじっくりと味わいたかったです。
ただ、これでもかっていうくらい作品全体のテーマである「頑張ることには意味はある。けれど、本人が望んだカタチで報われるとは限らない」を描いていました。
部活もの、青春ものですが、きっと人生を通して大切にしていくべきテーマだと思います。
・プロメア
観るドラッグ。
映像、音楽、物語が暴力となって襲ってくるようなもので、全力で脳がバグる感覚を楽しめました。
個人的には、あれだけ動いた後のリオ・デ・ガロとクレイザーXの一枚絵があまりにも美し過ぎて、話の展開とは別のところで涙がほろりと零れてしまいました。
・青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
今年最大の誤算。
変に前評判も見ずに軽い気持ちで行ったのですが、まさかあそこまで泣かされるとは……。
テレビ版の続きなのでそれを観てからのお勧めとなりますが、あんなに優しい気持ちになれたのは久々でした。
何というか、登場人物の皆、誰かにもらった優しさを大切にしていて、その優しさを返していくような話なんですよね。
もうほんと、観てくださいとしか言えません。
・天気の子
凄く新海さんらしいと感じる作品だったので、ここまで流行るのはちょっと予想外でした。
個人的には『君の名は。』よりも大好き。
・ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-
作品だけの感想とします。
観る人によっては苦しさを覚える作品だったと思います。
社会というか、環境による抑圧が描かれていて、最終的にもエミリー自身が幸せになったとは言い難いラストで。
ただ、だからこそ、彼女が大切にしたものがあまりにも切実なもので。
未だに主題歌の『エミリー』を聞くと涙が出てきます。
野﨑まど原作ということで最大限に警戒していたんですが、まさかの王道青春SF。
まあ『バビロン』2巻『2』の序章が衝撃的だっただけで、今までもそこまで鬼畜なものはなかったか……。
『バビロン』はほんと酷すぎた(誉め言葉……誉め言葉?)けど。
あっさり気味ではあるものの、個人的には久々の爽やかボーイミーツガール(プラス終わった主人公の意地みたいな)で好きですね。
もっと色々凝ったものが観たかった気持ちはありますけどね。
・空の青さを知る人よ
青春ものを作らせたら間違いなしの布陣で製作されたアニメ。
予告の時点では正直そこまで期待してはいなかったのですが、まさかの30歳前後の人のための青春ものだとは。
観ている間、高校生の自分に「お前は18歳の自分に胸を張れるのか」と問いかけら続けられているような感覚に陥って、苦しいけれど、でも懐かしい気持ちが込み上げてくるようなそんな作品でした。
二回目観に行きたかったなぁ。
〇テレビアニメ(全ては書けないので抜粋五作品)
原作を知らないので個人的にはダークホース。
ラブコメとして笑えるのはもちろんなんですが、こう恋愛ものとして決めるとことは決めるのが好き。
・キャロル&チューズデイ
人はどうして、音楽を求めるのだろう。
それ丹念に描いた良作です。
まあ一度観てください。
・グランベルム
可愛らしい絵柄に実はハードなストーリー、と聞くと『まどマギ』フォロー作品のように感じるかもしれませんが、それでも骨子がしっかりしていればきちんとした物語となります。
『グランベルム』はひたすらに“人の想いがぶつかり合う”物語だったと思います。
強くありたいという想い。
誰かに居て欲しいという想い。
誰かを、助けたいという想い。
そういう想いを身に宿すからこそ、人は人であれるのかもしれない。
そう感じさせてくれるアニメでした。
・荒ぶる季節の乙女どもよ
原作から入ったので「ここがない!」というところはあるものの、アニメとしてもまとまっていたと思います。
流石は岡田磨里と言いますか、簡単に説明出来ない思春期のあれこれを暴走させつつ、しっかりと物語としてまとめている。
思いっきり下ネタが入ってきますが、それは茶化すためではなく登場人物が持つ身体的な悩みを表現するためのもので、本当はこういうものが描きたかったんだろうなと思わされました。
青春、思春期の荒ぶる悩みは簡単に言葉に出来るものではない。
けれど、拙いなりに言葉にすることで、きちんと自分のものにしてあげられる。
そういう最後だったと思います。
・Fate/Grand Order – 絶対魔獣戦線バビロニア –
説明不要かもしれませんが一つだけ。
色々物足りないという人もいますが、自分としては最高のアニメ化だと思います。
ゲームとアニメでは、描くことの出来る物語は違ってくる。
そしてこれは、そもそもがゲームのために描かれた物語。
それをアニメにするに辺り、脚本もさることながら、映像としての説得力を持たせて描いてくれていることには感謝しかありません。
後半戦も楽しみにしています。
このクオリティで、終局特異点まで描いてくれても良いんですよ?
〇番外
・左ききのエレン
自分としてはドラマのことを語るのは珍しいと思いますが、これは本当に素晴らしい作品でした。
原作を読まずに見ていたからこそというところはあったかもしれませんが、役者さんの演技含め、画面から伝わってくる迫力も凄かったです。
才能に打ちのめされ、それでも人生を捨てられずにいる人たちの物語で、常に画面から「才能のないお前はどうする」と問い掛けられ続けているような感覚に襲われていました。
これからの観る機会は限られているかもしれませんが、もしあるようならば是非。
……そう思っていた時期が、僕にもありました。
はい、今はしっかりはまってます。
アプリの『スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』もしっかり最新話まですすめ、ニジガクは全キズナエピソードも読んで、その上で(ビューイングですが)ライブも観ました。
何なんでしょうね、この『ラブライブ』というコンテンツの魔力は。
数年前の自分にアイドルものにはまってるよと言っても、きっと信じないと思います。
ただ、アイドルというもの認識自体、その頃とはだいぶ違うものとなっていると思いますが。
昔は、単に可愛い(カッコいい)という感情だけで語ってしまうようなものだと思っていました。
ですが、(少なくともスクール)アイドルは、夢――好きなものを叶え、ライブを通してその“好き”という気持ちを多くの人と共有することの出来る存在だと、今は思います。
『ラブライブ』というアニメシリーズ、そして、そこから生まれた現実でのμ’sやAqoursが伝えてきたものはそういう“好き”という気持ちを大切にする心です。
虹ヶ咲はどうなるのかと思っていましたが、何ということはなく、精一杯に“大好き”という気持ちを伝えてくれています。
今回はソロ活動で、しかも選挙が多く今まで培ってきた“みんなで叶える物語”という言葉に反しているのでは、という意見も多くありますが、自分はそうは思いません。
9人が9人ライバルであり、同時に一緒に頑張るライバルである。
結果に誰かが泣くようなことはあるかもしれないけれど、それで9人の頑張りを否定するようなものでは決してない。
メンバーがそれで泣いてしまって可哀想?
なら、それを支えてこそのファンでしょ!
彼女たちもこれで2年頑張ってきたんです。
今その在り方を否定すれば、その2年間すら否定することになると思います。
それは嫌です。
選挙制に思うところはあるのも『ラブライブ』が好きだから当然だというのも分かりますが、そういう在り方も含めて“虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会”の“みんなで叶える物語”だと、そう思います。
ちなみに自分の推しは優木せつ菜です。
設定もりもりで作中でも優遇されている感はありますが、それ以上に彼女のスクールアイドルとしての在り方に心底惚れました。
彼女には野望があります。
それは“大好きという気持ちを世界に広める”こと。
スクールアイドルを好きだという気持ちはもちろん、その人が持つ“好き”という気持ちを、胸を張って抱けるような世界を作りたいというか、そんな感じです。
もうね、自分が『ラブライブ』シリーズを好きになった理由をまとめたようなキャラクターなんですよね。
これ以上書くと長くなるので切り上げますが、とにかく、少なくとも自分が好きだと感じる『ラブライブ』の血はしっかりとニジガクにも受け継がれていて、これからも応援していきたいなと、そう思わされた次第です。
・JOKER
日本でも大ヒット!
……なのに未だにこれに触発された犯罪が起きてないことに対し、喜ぶべきか、憤るべきか悩んでいます。
まっとうな道徳、倫理を持っているのなら、絶対に肯定してはいけない作品だと思います。
でもその一方で、ここに描かれた世間というものに対する憤りを無視したり、可哀想だと思うことは傲慢だと思います。
あまり書き出すと色々長くなりそうなので最後に一つだけ。
これはある種の人間にとっては、最高の自己肯定映画だと思います。
観た上でそれを感じ取れない人は、どうぞそのまま幸福な人生を。
以上、来年もよろしくお願いいたします。
後一時間足らずですが、良いお年を。
淡夏
第7回文学フリマ大阪
大人は子供に夢を持てという。
けれど大人は大人に、夢を捨てろという。
夢で飯は食えない。
夢で生きてはいけない、と。
なら、決して終わることのない夢を抱いてしまった人はどうなるのだろう。
夢を追いかけたい気持ちを、その人生を全うするにはどうすればいいのだろう。
そんなことを漠然と考えていて生まれたのが、新作『星天ユキ・オン・ステージ』です。
明日(9月8日㈰)にOMMビルにて開催される第7回文フリ大阪で出品する『Repro』の新刊にて掲載されます。
もし上記の話に引っかかるものがあれば、是非とも手にとってみてください。
もちろん、他にも下記の二作品を掲載しています。
生活に疲れた男が、大学生の女性との逢瀬に見出す安らぎを描いた
『昭とレイ』(ふりう 作)
ロボットが日常に紛れ生活する社会で、ロボットが恋心を持つことが出来るかを描いた
『ポータブル・ラヴ』(綾町長 作)
どれか気になるものがあれば、是非ともC-41のブースまでお願いします。
久々のリプロ活動報告と思わず書いてしまった『ラブライブ! サンシャイン!!』Aqours 5th Love Live!の所感
ブログ更新サボりにサボりまくってた淡夏です。
語りたいことは山ほどあれど、まとめる能力のなさに泣けてくる……。
さて、何にも動いてないように見える我々リプロですが、きちんと書いてますよ!
9月8日の第七回文学フリマ大阪のために!!
場所は天満橋のOMMビル。
参加される方は是非ともリプロブースまでお越しください!!
……とは言っても、「で、おたくらどんなもの書いてるの?」とお思いの方も多いと思うので、ちょこっと新作の紹介でも!
今回9号目となる『Repro』ですが、全体的なテーマは“インスタント・ガール”。
この言葉から各メンバーが連想した物語をまとめ、一冊の本にしています。
言葉の解釈は人それぞれ。
なので、一冊で全然違った物語をお楽しみいただけると思います。
ちなみに、今回この淡夏が描いた作品はアイドルものです。
タイトルは『星空ユキ・オン・ステージ!』。
アイドルに憧れ“インスタント・ガールズ”というグループで活動するようになった女の子の話です。
アイドルものというのを『ラブライブ!』しか知らないので何もかもが手探りな状態だったのですが、自分としてはアイドルとして“成功”したり“成長”することよりも、“好きものを、自分が望み通りにいかないものだとしても続けていくこと”、そして“自分の人生を選択するということ”の二つのテーマを念頭に置いて書きました。
読んでいただいた感想が全てだとは思いますが、もし手にとられるのであればそういったものを感じとっていただければ幸いです。
ということで、9月8日は是非ともリプロをよろしくお願いします!!
さあて、ここからは淡夏の好きなもの語りのターンだ!笑
まあ色々書きたいものは溜まってたんですよ。
毎期ごとのアニメの感想や、もうかれこれ15年信者やってる型月関係の話、そしてそして完全に沼った『ラブライブ! サンシャイン!!』やAqoursの話。
今期は『キャロル&チューズデイ』がめちゃくちゃ良いし、満を持して配信された『Fate/Grand Order』二部四章も燃えたし、Aqours 5th Love Liveは本当感動という言葉でまとめるには足りないくらい良いものだったし……。
もうね、Aqoursのライブって凄いんですよ。
アニメ本編の“好きなものを諦めない”物語にもぐっときたんだけど、アニメにも負けないくらいのキセキを毎回毎回見せてくれる。
自分は3rdからの参加なのですが、その時は本編でも難しいとされていた振付のロンダートからのバック転を見事に成功させ、好きなことだから頑張れる、やり遂げられるってことを証明してみせてくれたし。
あの東京ドームで行われた4thではそのパフォーマンスに魅せられたのか、ライブが終わったにも関わらず会場が割れんばかりの“Aqoursコール”が沸き起こり、Aqoursもそれに応えて予定になかったダブルアンコールで登壇してくれたり。
そして5thでは、ファンの方のAqoursに何かを返したいという気持ちが表れたのかは分からないけど、観覧席が綺麗にAqours 9人9色の虹で彩られたりと。
この虹がほんと綺麗だった。
別に公式にやれって言われたわけじゃないんですよ。
有志のファンが実現したいって集まって、会場を回って呼び掛けて成し遂げられたもので。
かく言う自分も会場で呼びかけられるまで知らなかったし、周囲の人も「まあ自分は推しの色から変える気はないし、頑張ってるけど無駄だろね」って感じの反応だったんですよ。
それでも、成功した。
アンコールでスタンド席の方が端からじわじわと列毎にブレードの色が統一され出し、全然気づいてなかっただろうアリーナも途中からその異変を感じ、ラストの曲ではもうそれは見事な9色の虹が完成していた。
ほんとキセキとしか言いようのない光景でしたよ。
あんなキセキを起こせるくらいAqoursがやってきたことは伝わったし、ファンの方も伝わったということを逆に伝えたのがカタチになったというか。
終わった後も、ファンが順次退場するファンにも声援を送ったりして、たぶん二度と出来ない経験だったと思う。
……とまあ、当初の予定では『ゴジラKOM』の日本と海外の怪獣観の違いの考察を書こうと思ったら、『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』があまりにも素晴らし過ぎてその感想を書こうとワードを開いたにもかかわらず、気付けばAqours 5th Love Liveの感想があふれ出してしまった淡夏でした。
しまったなぁ、Aqoursのことメインに書くならもっと言いたいことはあったのになぁ。
まあ、また感動がぶり返した時にまとめます。
2018年を振り返って
どうも淡夏です。
「気づけば2018年も……」と打ち掛けて、そう言えば毎年同じようにな出だしで年末のブログを書いてるなと残念な気持ちになります。
計画的に物事を進めていれば、「気づけば」なんて言葉は出ないんですけどね。
何故人は歴史を繰り返してしまうのか……。
ここ半年以上、書きたいことはたくさんあったのにうまく文章としてまとまらない症状が続いてしまっていたので、今回は簡単に自分から見た2018年を振り返りたいと思います。
・2018年のリプロの活動について
今年は二つのイベントに参加しました。
一つは5月にインテックスで行われたコミックシティ。
やはり、というかオリジナルの冊子に注目してもらうのは難しいとしみじみ実感しました。
宣伝をうまく行えばその限りではないのでしょうが……。
もう一つは恒例の文学フリマ大阪。
リプロの歴史は文フリ大阪と共にあるといっても過言ではないので、今回で6回目というのは何か感慨深いですね。
この歳になってくると、続けるということの難しさが身に染みます。
出来れば、10回目は何か記念的なこともしたいなと個人的に。
・淡夏が影響を受けたもの
今年はというか、今年もアニメ関係には影響を受けることが多かったように思います。
映画でいえば『さよならの朝に約束の花をかざろう』に『リズと青い鳥』。
テレビは1クールに大体10本近く見てるので、何だかんだでそのクール毎の良作には出会えていたのかなと。
中でも印象に残るものを挙げるとすれば
ダーリン・イン・ザ・フランキス
宇宙よりも遠い場所
SSSS.GRIDMAN
Thunderbolt Fantasy 東離劔遊記2
やがて君になる(どちらかと言えば原作の方で)
Fate/EXTRA Last Encore
少女歌劇 レヴュースタァライト
恋は雨上がりのように
多田くんは恋をしない
シュタインズ・ゲート ゼロ
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
キノの旅
あたりでしょうか。
思った以上に多いな……。
ここに挙げられたものに関しては個別に語りたいくらいなんですが、それは文章がまとまるようになったら書くようにします(^^;
これらのものに受けた影響を良い感じに創作に反映出来れば良いんですけどねぇ。
本日はここまで。
2019年度の抱負等はまた年が明けてから書きたいと思います。
ブログも創作も書き続けることに意味が生まれるものですし、予告しておくで自分にプレッシャーを与えておきます。
頑張れ、来年の俺!笑
それでは皆様、よいお年を。
『億男』でお金と幸せについて考えた
一つ前の記事で「明けましておめでとうございます」なんて言ってますが
今やもう、今年もあと2ヶ月といったところ。
長らく更新ができておりませんでした。
社会人は忙しい。でも忙しさを言い訳にしたら、出来ることすら出来なくなっていく。
小説の形式にこだわらず、ブログでもTwitterでも感じたことを発信し続けることが
表現が老けない秘訣なのかもしれません。
さて、『億男』という小説を読みました。
弟の借金の肩代わりをしたことで、妻とは別居し家族がバラバラになってしまった一男は、借金返済のために昼は図書館司書、夜はパン工場で掛け持ちで働いている。ある日、一男は3億円の宝くじが当選し億万長者となり、借金返済に夢膨らますが、ネットを覗くと大金を手にした人の悲劇ばかりが目につく。不安に駆られた一男は、大富豪となった学生時代の友人、九十九のもとを訪ねる。15年ぶりの親友との再会に一男はすっかり酒に酔ってしまう。しかし、酔いつぶれた一男が目を覚ますと九十九は3億円とともに姿を消していた。一男は九十九の行方を追いながら、大金をめぐり家族や友情のあり方を探していく。
あらすじはwikipediaより。
現在、映画も公開されています。
主人公は佐藤健と高次一生。映画の方も見に行ってきました。
小説でも映画でも共通して問われるのは、
「お金と幸せの答えとは?」ということ。
縦76ミリ・横160ミリ・重さ1グラム。
これは1万円札のサイズですが、こんな紙を貰って我々は生きています。
この紙が増えたり減ったりするだけで我々は一喜一憂し、
ときには人生を狂わせてしまうことだってあるのです。
「お金では買えないものもある」「お金で買えないものの方が大切」
口で言うのは簡単です。
でも、それって本当でしょうか?
少なくともは、お金の本当の力を知らずに今まで生きてきたと思います。
このような言葉は一見もっともらしく聞こえますが、
実はお金について、ほとんどの人がその力を芯から理解していないのではないでしょうか?
『億男』になった主人公の一男は、親友だった九十九に三億円を持ち逃げされ、
九十九の行方を追います。
その中で九十九と関係のあった人たちと出会い、お金についてのそれぞれの考えに触れていきます。
「お金と幸せの答えとは?」
その答えについて『億男』でははっきりとした回答を文字にすることはありませんでした。
人によってはその部分を物足りなく思う人もいるかもしれません。
でも、主人公の一男は多くの出会いの中で自分なりに答えを出し、
前へ進んでいきます。
「それで一男くん。お金と幸せの答えは見つかったかい?」
「まだ分からない。でも君は、たどり着いたんだろ?」
「そうだとも、そうでないとも言える。お金と幸せの答えは、すぐに形を変えていく。
それを決めるのは、僕らなんだ。だからこそ僕は、もし人を疑うか、信じるかのY字路があったとしたら、信じる道を行こうとふたたび思えるようになった」
これは一男と九十九のやり取りですが、
九十九の言うように答えはすぐに形を変えていくもの。
それでも考え続け、答えを探し続けることが重要で、
「お金なんて」と思っているうちは決して答えには至れない。
もっとお金のことを考えよう。そしてもっとお金のことを愛せ。
そんなことを思いました。
小説としても映画としても面白かったです。
「理不尽な理由で何かが行方不明になり、それを探す旅に出る」みたいな構造が
すごく好きで(初期の村上春樹作品ってそんな感じ)、
今回の内容はその意味で好みそのもの。
あと映画では九十九の知り合いとして、藤原竜也が怪しげなお金のセミナー代表役で登場するのですが、さすがの演技でした。
諭吉握りしめてる画があんなに似合う役者っていないと思う。(ふりう)
新年のご挨拶と雑記
明けまして、おめでとうございます。
どうも淡夏です。
先日ブログをアップした時にはまだ平成29年だったのに、数日経っただけで平成30年になっているとか。
改めて考えるとただいつも通り時間が流れただけなのに、何か大きな変化があったように感じてしまうのが不思議です。
人って、一分毎、一時間毎、一日毎の変化には鈍感なくせに、半年、一年、十年のように“年”の変化には異常に敏感なんですよね。
その“年”だって、意識しない月日の積み重ねの上に成り立つもののはずなんですけどね。
それでもまあ、何か気持ちを新たにするというのは大切なことだと思います。
日々の変化に鈍感なのも、特に時間の区切りというのを意識する機会が少ないからというのも大きいでしょうし。
区切りを設定しないと、物事がどれだけ進んだのか、自分がどれだけ成長したのか、ということも実感し辛いと思います。
だから変に斜に構えるよりも、素直に心機一転頑張るぞ、と切り出すのが一番賢いのでしょうね。
ということで前置きはこれくらいにして。
始まりました2018年、今年も私達リプロはゆるりと活動して参りたいと思います。
まずは5月27日㈰のコミックシティ大阪。
こちらの方はうちの活動の根幹となる冊子『Repro』の8巻目を持参する予定です。
今回のテーマは『致死量の鼓動』。
この言葉から連想する、メンバーそれぞれが考えた物語を掲載する予定です。
このテーマに少しでも引っ掛かりを覚えた人は、是非ともイベントに足を運んでみて、当サークルのブースへとお越しください。
きっと、今頃、皆必死になって執筆しており、魂の籠った物語の数々をご提供出来るはずです。
ね、リプロの皆さん?(特大ブーメラン)
また、その次は明確には決まっていないのですが、やっぱり文フリ大阪には参加したいなぁと。
リプロは元々、第一回文フリ大阪に、発足当時学生だったメンバーが、卒業記念&社会人になってからも何かをやりたいと始まったサークルです。
だから、リプロは文フリ大阪と共にあると言っても過言ではありません(異論は認める)。
結成されてからもう5年程になるのですが、その間にメンバーが変わったり、現メンバーの身辺にも様々な変化があったりと、今でも続いていることが不思議な状態ではあります。
これも、皆それぞれに何かしら「書きたい」という想いを抱えているからであり、またどうせなら皆で何かしたいという想いがあるからこそだと信じ、感謝の念を禁じ得ません。
願わくば、これからも出来る限りは続けていきたいですね。
何にせよ、書ける限りは書いていきたいと思いますので、既にご存知の皆様も、今回初めて知ったという皆様も。
2018年のリプロを、どうぞよろしくお願いいたします。
以下、淡夏の雑記。
上記にて何気なく「続けたい」と書きましたが、この“続ける”、“続く”というのはとてつもなく大きな意味を持つ概念なんですよね。
僕の大好きな型月作品『Fate/Grand Order』でも、こんなに最悪な後味もないのに癖になる野崎まど作『バビロンシリーズ』でも、keyと田中ロミオという化学反応の末に生まれた傑作『Rewrite』でも。
それら全ての中で、「“良い”ことというのは、“続く”ことなのだ」みたいなことが語られていて、色々と心に沁みます。
何かが“続く”というのは決して簡単なことではありません。
家が“続く”には年月が必要ですし、会社が“続く”にはお金が必要ですし、生命が“続く”には大量のエネルギーが必要です。
物事は様々なものを消費し、犠牲にして“続いて”います。
犠牲になったものからすれば堪ったものではないでしょうが、少なくとも当の本人達からすれば、自分達が“続く”こと以上の意味なんて他にはないでしょう。
完全に終わってしまえば、そこにあった意味も価値もなくなりますし。
とまあ、そんなとりとめのないことを考えながら、私、淡夏の新年は始まりを告げるのでした。
割と個人的なことと、坂本真綾の『アイディ』を読んでby淡夏
年の瀬になると、いつも自分の中でこの問いが浮かびます。
「今年は、一体何を積み上げられたのか」と。
とっくの昔にモラトリアムは終わり、これまで貰ったものに報いるために、次の世代に何かを残していかなければならない。
それが大人というもの。
だと言うのに、自分はまだ次に託せるものなどなく、個人的な人生を完結出来るような積み重ねもない。
がむしゃらに生きてはみたものの、どうもこの問いを前にすると、胸の内に虚しさがじわじわと広がってしまう気がします。
そんなちょっと気が落ちかけている時、古本屋で一冊の本と出会いました。
坂本真綾のファーストエッセイ集『アイディ』。
坂本真綾と言えば、『カードキャプターさくら』の名曲『プラチナ』を歌ったり、自分の大好きな『空の境界』の主人公、両儀式を演じたりと幅広い活躍をされている方です。
一度だけ、『コードギアス亡国のアキト』の舞台挨拶でご本人を見たことがあるのですが、住む世界が違うというか、ほんとオーラが違うという印象を抱いた覚えがあります。
「こんな凄い人なら、さぞかし凄いこと書いているんだろうなぁ」と読む前までは思っていました。
実際、当の本人は大したことなさそうに書いていますが、その行動力は凄いと思います。
自分の夢――舞台『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役を演じる――のためにオーディションを受けたり、ちょっと自分を見直すためにロンドンへ一週間のホームステイをしたり。
そういうことをしたいと思っても、出来ない人の方が多い。
だから、やっぱり夢を叶える人の絶対に必要な素質は“行動力”なんだろうなと改めて実感しました。
けれど一方で、真綾さんがこんなに自分達に近いんだということを知ったことが、一番この本を読んで心に残ったことでもあります。
前述した『レ・ミゼラブル』の舞台でも、最初はそれなりにやりたいという気持ちで受けたのに、オーディションが進むにつれ自信がなくなり、いざ受かってしまうと「怖い、やりたくない」という気持ちが強すぎて一度断ってしまったり、稽古が始まってからも、出来なさ過ぎて落ち込んで、人がいる前でも大泣きしてしまったり。
別にそういうことを言われているわけではないのに、周囲からも責められているような錯覚に陥ったりと、思ってた以上に赤裸々とその当時の心境がつづられていました。
自分は、真綾さんのように、誰かの――自分の夢を叶えるような仕事をしているわけではありません。
一度そういう方向を目指そうとして、やっぱりがっつり仕事にすることは諦めました。
好きなことは、好きなまま続けたいし、それをすることだけが自分の幸福になるとは思えなかったのです。
その選択が正しかったとは思いませんが、間違っていたとも思いません。
だから結局今の生き方の正しさなんて死ぬ時にしかわからないと思います。
何をしても、どこに居ても同じように思い悩み、苦しむことは変わらないんだろうなと『アイディ』を読んで思い直しました。
ただ、そこに対する思い入れや、本気の度合いが変わってくるだけで。
真綾さんはその後も、7年間に渡りエポニーヌを演じられたそうです。
その中でも苦しいことは続き、けれど楽しみ方も分かってきたとか。
仕事に関しては成果というどうしようもない現実がついて回りますが、夢ややりたいことについては、やっぱりやり続けないと何にも得られないんだろうなと思います。
「夢は必ず叶う、なんて嘘だ」という話が一時色んなところで語られてきたと思いますが、きっとそれは違うことなんです。
少し逸れますが、水瀬いのりの新曲『Ready Steady GO!』の中に、こんな歌詞があります。
“夢は叶った瞬間に始まるんじゃない。
そこに辿りつくことを決めた日に、始まっていると私は思うの”
夢は「叶う」ものでも、「叶える」ものでもない。
「叶え続ける」ことでしか実現出来ないものなんだ。
だから、行動を諦めたその瞬間に、終わってしまうものなんだ。
そういうことを、真綾さんの本や、水瀬いのりの曲から感じとった気がします。
冒頭でも述べた問いに、今の自分ならこう返す。
「積み上げたものはないし、それどころか今は停滞すらしている。
けれど、少しずつでも、間に合わないかもしれないけど、止めることだけはしないつもりだ」
たぶん、その選択だけが、色々拗らせて力をなくしかけてしまっている自分の過去を救う手立てなんだろうなと、そう思うのです。
前日のブログでもふりうくんが書いていましたが、リプロは2018年も活動を続けます。
そういう何かをする場があることに感謝しつつ、自分も先へ進んでいきたいと思います。
自分のことばかりになってしまいましたが、今年もありがとうございました。
来年もまた、よろしくお願いいたします。
淡夏