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りぷろぐ

せつな系創作団体「Repro」のBlogです!

「人殺し」って遺伝するの?

どうも、こんばんは、綾町です。

 

最近、『戦争における「人殺し」の心理学』という本を読んでいて、疑問に思ったのがこの表題。

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この本は戦争時に起きる「人殺し」について、兵士の反応、トラウマやそれが起こる過程について心理学的にしっかり調べ上げた名著です(ただ、読んでいると決まってちょっと頭おかしい人扱いされる)。

 

この本によると、一般的に考えられているみたいには、人は人を殺すことは出来ないらしく、一般的に兵士は敵を殺すことを避けれるなら避けるらしい(第二次大戦中、アメリカのライフル銃兵はわずか15~20%しか敵に発砲していない・撃墜された敵機の三〇~四〇%は戦闘機パイロットの1%未満が撃墜したものであるなどのことがそれを示している)。

 

他にも、兵士は出来るだけ同種であるヒトを殺さないように行動すること、殺した場合酷いトラウマに襲われること、それを軍隊がどのような訓練、武器を使って克服していったかなどがこの本には示されています。

つまり、簡単に言ってしまえば、人間は本能として、同種であるヒトを殺すことにとてつもない抵抗感を示すようにコードされている(らしい)。

 

しかし、その一方でスウォンク・マーシャンの第二次大戦の研究によると戦闘中の兵士の2%は攻撃的精神病質者の素因を持っていることが分かっています(しかし、あくまで素因であり、彼らが精神病を発症しているわけではないことには注意が必要です。彼らの大半はしっかりとした理性を持っていて、その攻撃性を抑えることが出来ています)。

そして、彼らは『兵士』としてみれば非常に優秀であり、彼らのおかげで数々の戦争での勝利は得られたといっても過言ではないことが分かります(先程示したように撃墜した敵機のほとんどは数%の戦闘機のパイロットが撃墜している)。

 

 

これを読んで思い出したのが、伊坂幸太郎の『重力ピエロ』。この話では『犯罪者の遺伝子』というのが大きなテーマの一つになってます。こちらでは遺伝子だけでない、環境としてのつながりの大きさが示されています。

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逆に、こちらのニュースでは性犯罪に遺伝が関連していることが示されています(あくまで、関連だけですが)。

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犯罪者の素因が遺伝するかどうか、というのは昔から議論されて大きな問題になっていましたが、

『人を殺すことに抵抗を感じにくい』遺伝子というのは存在していて、私達の周りにもそういう人は少なからずいるんじゃないか、と思います。

けれど、人にはしっかりとした理性があって、それによってその素因は普段は抑え込まれている。それが特定の環境や状況に陥った時に初めて発揮され、大量殺人者などになってしまうのかもしれません(逆に遺伝的にそうでなくても、訓練で殺人に対する抵抗を緩和できることは近現代の軍隊が示しています)。

そして、その様な不幸な状況に陥らなかったほとんどの彼らは戦争時には私達を守ってくれる優秀な兵士になるのかもしれません。

 

といいつつも、この話は非常に難解なので、もっと深く考えて、是非、次の小説のテーマにしていきたいなーと思います。ではでは。