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りぷろぐ

せつな系創作団体「Repro」のBlogです!

“くそったれなゲーム”をプレイして思ったこと~『Chaos;Child』~

 2017年1月からアニメが始まるということで、それまでにはと思い色んなやるべきことよりも優先してクリアしてしまいました。

 残念ながらある程度のネタバレは知ってしまっていた(むしろ知ったせいで興味もった)のですが、それでも十分に入り込めたかなと。

 これで知らずにやったら、もっと凄かったんだろなぁ。

 

 

○『CHAOS;CHILD』とは

 

 『CHAOS;HEAD』(以下『カオヘ』)、『STEINS;GATE』(以下『シュタゲ』)などに続く科学ADVシリーズ第4段。

 科学ADVシリーズは全部世界観を共有していますが、今回は第1段と同じ“妄想科学ADV”となっており、名前からも分かる通り『カオヘ』との繋がりを濃くしいる。

 あらすじは以下の通り。

 

 物語の舞台は、2009年に発生した大地震から6年が経ち、復興しつつある渋谷。

 そこで始まった連続猟奇殺人事件。

 それらの事件は日付やその異常性から、6年前に起こった“ニュージェネレーションの狂気”の再来と呼び人々の関心を引いていく。

 自らを“情強”と自負する碧朋学園新聞部部長、宮代拓留は抑えられない好奇心故に事件を追うことにするのだが……。

 

 “ニュージェネレーションの狂気”や“渋谷地震”は、いずれも『カオヘ』で起こった出来事だ。

 どちらも『カオヘ』の物語の根幹に関わってくる事柄なので、気になった人は是非そちらを。

 また、起こった出来事以外にも“ギガロマニアックス”と呼ばれる特殊能力も『カオス』シリーズを繋ぐ重要なキーワードとなってくる。

 


PS版『CHAOS;CHILD』オープニングムービー

 

 

○「“ニュージェネレーションの狂気”の再来」とは

 

 地震が起こる前の2009年の渋谷では、“ニュージェネレーションの狂気”と呼ばれる不可解な連続猟奇殺人事件が起こっていた。

 詳しくは省きますが、男性の遺体の中に胎児が埋め込まれていたり、全身から血を抜かれていたり、果ては脳味噌を生きたまま掻きだされていたりと、どれも常識を逸したものばかり。

 そして2015年の渋谷でも、6年前に負けず劣らずな以下の6つの事件が起こることとなる。

 

・“こっちみんな”

 ニコニヤ動画生主の男性が、生放送中に自身の右腕を食べて窒息死した事件。

 その有様が「こっちみんな」のAAに似ていることから、ネット上ではそのまま通称となった。

 

・“音漏れたん”

 路上ライブ中に一人の女性が亡くなった事件。

 亡くなった後も歌は聞こえ続けていたが、それは生前裂かれた腹に埋め込まれたスピーカーから流れていたという。

 

・“回転DEAD”

 ラブホテルの一室にて、首をワイヤーで固定され、ベッドの回転に合わせて男性が首を絞められ殺害された事件。

 事件のことをいち早く聞きつけた拓留は現場に向かい、実際にねじ切られる死体を目の当たりにしてしまう。

 

・“ごっつぁんデス”

 人気ネット記者、渡部友昭が碧朋学園の文化祭のステージにて、大量の力士シールを嘔吐して死亡。

 遺体には、食堂から胃の中まで、みっちりと力士シールが詰まっていた。

 

・“上手に焼けました”

 マンションの一室にて、鉄筋で串刺しにされた女性の焼死体が発見された。

 しかし部屋には犯人を示す証拠もなく、出火の原因になるものも見つからなかった。

 

・“非実在青少女”

 渋谷郊外にて、一つ一つのパーツを箱に詰められ、人体のカタチになるように並べられたバラバラ死体が発見された。

 この事件は他のものと違い、拓留や乃々にとって大きな意味を持つものとなる。

 

 一見バラバラに見える今回の事件だが、現場に“力士シール”と呼ばれるものが残っている、事件の起こった日付が、6年前の事件の時と一致しているなどの共通点がある。

 


『CHAOS;CHILD』東京ゲームショウ2014公開トレイラームービー

 

○「力士シール」とは

 

 『カオチャ』のシンボルとも言える、「太った男の顔が三つ目になるように重なっている」イラストのシール。

 実は現実の渋谷にも存在しており、2007年に街のいたるところに貼られていたそうふだ。

 デザインは様々なものがあり、類似品も多いですが元の製作者は不明。

 グラフィティみたいなものだとか、はたまた何かの組織が使っている目印だとか様々な説がありますが、未だに謎のまま。

 『カオチャ』ではある設定に関わってくるものとして描かれているが、もちろん実際のシールとは全く関係ない。

 もし渋谷に行く機会があれば、今も残っているのか探しに行きたいものだ。

 

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○「ギガロマニアックス」とは

 

 簡単に言うと、“妄想を現実にする能力”を持った人達のこと。

 自分の妄想を他の人間にも認識させ、共通の認識とすることで現実化(リアルブート)することが出来る。

 力を行使するには“ディソード”と呼ばれる妄想の剣を手に入れる必要がある。

 『カオヘ』の登場人物は割と自由に妄想を操ることが出来たが、『カオチャ』では一人一人異なる、限定的な能力の行使に留まっている。

 また、『カオチャ』でのギガロマニアックスは、渋谷地震が原因となっている一種のPTSDカオスチャイルド症候群”の患者ばかりである。

 

 

○登場人物

 

・宮代拓留

 主人公。碧朋学園三年生で新聞部部長。

自身のことを“情強”、“真のリア充”と豪語するが、知らない人の前では口ごもる等コミュ障な一面も。

 地震の際に両親を失くし、医者の佐久間亘が経営している“青葉寮”という施設にて度学年の来栖乃々、中学生の橘結衣、小学生の橘結人と共に“家族”として暮らしていたが、とある事情により家を飛び出し、公園のトレーラーハウスに一人で住んでいる。

 “情強”としての自負か、色んな事件に首を突っ込みたがり、それを乃々に咎められる日々を送っている。

 

・尾上世梨架

 メインヒロイン。碧朋学園二年生で新聞部所属。

 拓留の幼馴染で、気がつけば二人で行動している。

 天然だが時折優れた洞察力を発揮する。

 口癖は「う?」や「おっけい」。


『CHAOS;CHILD』キャラクター紹介プレイ動画「宮代拓留・尾上世莉架」編

 

・来栖乃々

 もう一人のメインヒロイン。碧朋学年三年生で生徒会長兼新聞部副部長。

 明るく人当たりも良いので人気も高いが、怒ったら誰も叶わない為“女帝”と呼ばれている。

 “青葉寮”で暮らす皆を“家族”として何よりも大切にしている。

 そのせいか、拓留には周囲からブラコン扱いされる程のお節介を焼いている(もちろん、血は繋がっていない)。 


『CHAOS;CHILD』キャラクター紹介プレイ動画「来栖乃々」編

・有村雛絵

 ヒロインの一人で碧朋学年二年生。

 “回転DEAD”の事件現場におり、重要参考人とされていた。

 “ギガロマニアックス”であり、人の言葉の真偽が分かる能力を有している。

お調子者で如何にも女子高生然としているが、内心は嘘ばかりの人間関係に辟易している。

 「チャオっす!」、「あでぃおすぐらしあ~」など独特な挨拶をよくする。


『CHAOS;CHILD』キャラクター紹介プレイ動画「有村雛絵」編

 

 

・香月華

 ヒロインの一人。碧朋学園一年生の新聞部部員。

 部室でいつも『エンスー2』というネトゲをしており、ゲームにのめり込み過ぎてよく壁を殴っている。

 特に身体的な問題があるわけではないのだが、「ん」という言葉(?)しか発しないため他人に興味がないように見られるが、よく見ると周囲のことを大切にしているような行動が見受けられる。


『CHAOS;CHILD』キャラクター紹介プレイ動画「香月華」編

 

 

・山添うき

 ヒロインの一人。

 能力研究が行われていた“AH総合病院”の地下にて、被験者の世話係をしていた女の子。

 拓留達が地下に忍び込んだ時に出会い、連れ出した。

橘結衣の同級生らしいが、外見は結衣よりも幼く見える。

 地下生活が長かったためか、スマホ等の機械のことを全く知らない。


『CHAOS;CHILD』キャラクター紹介プレイ動画「山添うき」編

 

伊藤真

 碧朋学園三年生で新聞部部員。

 拓留の親友で、負けず劣らずの情報好き。

 猟奇マニアではあるが善人で、拓留のことを信頼している。

 

・久野里澪

 年齢は拓留達とそう変わらないが、脳科学の研究者で独自に“ニュージェネレーションの狂気”の再来を追っている。

 高圧的な態度が目立ち、ギガロマニアックスを人間以下のものと見ている節がある。

 利害関係から、拓留達と強力するようになる。


『CHAOS;CHILD』キャラクター紹介プレイ動画「久野里澪」編

 

 

・神成岳志

 “ニュージェネレーションの狂気”の再来を追っている刑事。

 作品一の良心。

 事件が常識では捉えられないものだと考えており、警察組織とは別に久野里と協力して調査を行っている。

 

・佐久間亘

 “青葉寮”を経営している医者。

 拓留や乃々達の“父さん”。

 ぶっきらぼうだが、気の良い人柄で患者にも好かれ、“青葉寮”の“家族”からの信頼も厚い。

 

・和久井修一

 碧朋学園の国語教師で、新聞部顧問。

 どこか飄々としており、頼りない印象を受ける。

 

・南沢泉理

 地震が起こるよりも以前、能力開発のため、“AH総合病院”の地下にて実験という名の拷問を受けていた少女。

 幼い拓留は世梨架の二人が、都市伝説の真相を調べる為に地下に忍び込んだ際に発見した。

 助けを求められたのに逃げてしまったことを、拓留は今でも後悔している。

 実は乃々の昔の親友で、地震の際に亡くなったとされているのだが……。

 

・橘結衣

 “青葉寮”で暮らす中学生。

 “家族”の中ではしっかり者の“次女”。

 結人とは実の姉弟であり、いつも気に掛けている。

 震災の際に恐い目にあったらしく、寮に引き取られた時は男性恐怖症だった。

 乃々が落ち込んでいる時も、自分が家族を支えるのだという程強い子だが、拓留がいなくなったことを寂しく思うなど歳相応の一面も見せる。

 

・橘結人

 “青葉”で暮らす小学生。

 “家族”の中では気弱な“次男”。

 結衣とは実の姉弟であり、いつもくっついている。

 彼も震災の際のことがトラウマとなり、暗いところを極度に恐がっている。

 弱気だが優しく、また物語が進むにつれ少しずつ逞しくなっていく姿が見れる。

 

 

 

○感想(※ネタバレあり)

 

 この作品は最後まで、“情報”というテーマに拘り抜いていたように感じる。

 情強と情弱、当事者と傍観者。

 最初の内はこれらが対応するものとして進んでいましたが、物語が進むにつれ、その関係は崩壊していく。

 誰もが皆、自分の持っている“情報”に縋り自分にとって心地好い現実を作っている。

 当事者だろうが傍観者だろうが、それはきっと同じなのだ。

 それがこの作品の言いたかったことなんじゃないかなと思う。

 Trueの“silent sky end”は言うに及ばず、個別ルートもそのことを補強するためにあったのかな、と。

 

 例えば雛絵編。

 雛絵は最後、発狂した母親が殺してしまった拓留の死体を抱きしめながら、彼が帰ってきて楽しい日々が続くという妄想の中に引きこもった。

 

 例えばうき編。

 エンディングにもよるが、うきにより作られた幸せな妄想から現実に帰還するも、それも妄想なのではないかという感想を抱いて終わる。

 

 例えば乃々編。

 乃々――泉理は自分が来栖乃々という嘘を吐き続けることを止め、本当の自分として現実を生きることを選択する。

 

 しかしtrueまで見ると、彼女達にとっての現実もまた、カオスチャイルド症候群による妄想だったということが判明する。true以外で、真の意味で彼女達が現実に帰ってくることはないのだと理解している。

 それでも、だ。

 それでも彼女達のルートや共通ルートで拓留や彼女達が行ってきたこと、感じたものに意味はなかったのだろうか。

 答えは否だ。

 それはプレイヤーが一番よく知っている。

 よく、trueで明かされる真実――カオスチャイルド症候群の患者達は能力の行使により身体が老化しているのに、お互いをそうと認識していない。そればかりか、自分達の共通妄想を作りだし、綺麗な自分達の暮らしを築き上げていること――は意味のないことだとする感想を見かける。

 例えそれが判明したからといって物語に支障はないし、起こった出来事が変わるわけでもないから、と。

 だが待って欲しい。

 自身達の姿の認識が違うということは、とても大切なことだ。

 カオスチャイルド症候群ではなかった人――久野里さんや神成さん、百瀬さんなどの人からは、拓留達が真実の姿で見えていることになる。

 彼女らとの関わりがないまま物語が作られたのなら、確かに意味はなかったのだろうが、彼女らも関わっている時点で無意味なものではないと思う。

 なのに、カオスチャイルド症候群の設定はどちらでも良いものと判断した。

 そこに“プレイヤーにとって都合の良い情報の取捨選択が発生した”と、そう考えることは出来ないだろうか。

 “都合の良い情報で物語を作る”ということは、つまりは“妄想する”ということである。

 なら“妄想上の物語”を認めることとなり、拓留やヒロイン達の物語や引いては雛絵が逃げ込んだ妄想すらも肯定出来るはずだ。

 だから、拓留や彼女達の感じたことには意味があるのだ。

 

 まあ物語のことを語る時点で妄想を語るのと同じことなのだが、それでも人は語ることを止めない。

 きっと、その妄想語りこそが現実を構築していくのだから。

 

 

 ちなみに、ここまで書いて筆者はこの文章の着地点を見失ってしまっている。

 と言うのも、本当に書きたかったはずのことと、大きくずれてしまったからだ。

 自分が書きたかったこと、知りたかったことは、『Chaos;Child』というゲームプレイをして感じた、あの嵐の後の静けさのような気持ちだ。

 なのに、どう書こうとしてもそれが書けない。

 そこで色々考えているうちに出て来たのが上記のような考えなのだが……。

 もし、ここまで読んで少しでも気になった人はゲームをプレイして欲しい。

 そして、出来れば一緒に語り合いたい。

 一応1月からアニメも始まるが、それでこの作品が表現出来るとは正直思えない。

 とはいえ、万人に勧められる作品ではないと思うので、気が向けば感想を書こうとしてただのストーリー紹介になってしまったものを載せるかもしれない。

 その時は「何やってんだ」と呆れつつ、この作品に感じたもの探しているのだなと、生温かく見守って欲しい。

 この感情を処理出来れば、何か得られそうな気はするのだが……。

 

 

CHAOS;CHILD

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CHAOS;CHILD

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CHAOS;CHILD

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CHAOS;CHILD

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