りぷろぐ

せつな系創作団体「Repro」のBlogです!

ネタバレ解禁ということで "Fate/EXTELLA" 感想!

 EXTELLA発売から二週間と聞いて正直なところ「嘘だろ……」という気持ちが真っ先に出てきた淡夏です。

 やばいです。

 自分のリアルに危機感しか覚えません。

 けどEXTELLA良かったです。

 

 そんなわけで!(どんなわけだろう?)

 今日は二週間前に発売した無双っぽいアクションゲーム、Fate/EXTELLAのネタバレ解禁日だぜ!!

 ツイッターでも呟けなかったネタバレ全開の感想を、ガシガシ書いていくぜ!!!

 

 

Fate/EXTELLA』とは

 言わずと知れた、TYPE-MOON原作の伝奇活劇ヴィジュアルノベル『Fate/stay night』の派生作品『Fate/EXTRA』シリーズの最新作。

 しかも、『Fate』関連初のアクションゲーム!

 書き出すと長いので、詳しい内容はぐーぐる先生に教えてもらって欲しいのですが。

 『Fate』シリーズが増える度に思うところはある型月信者は多いと思いますが(特に『月姫R』や『魔法使いの夜』二部と三部、そして『DDD』等々)、何といっても今回は、ファンなら一度は考えたサーヴァントを自由に動かすことが出来るのが一番大きいのではないでしょうか!

 格ゲーの『Fate/unlimited codes』もあったけど、やっぱり自由に戦場を掛け抜けたいという想いは強かった。

 電子の海と特殊な部隊ではあるものの、敵を薙ぎ払いながら素早く動くサーヴァントを操作出来るというのはやはりくるものがありましたね。

 ただ、EXTRAシリーズとは言っても厳密には続編ではないので注意が必要。

 EXTRAのシナリオの骨格はそのままに、ネロ、玉藻、無銘と分かれていたルートを再構築して一つにした、新たなシナリオを基として書き起こされた内容になっております。

 詳しくは原作者、奈須きのこさんのブログ“竹箒”にて。

 

 

フェイト/エクストラ(通常版)

フェイト/エクストラ(通常版)

 

 

 

 

 

アクションゲームとして

 正直なところ、キャラゲーということで「まあ動かすのは楽しそうだよね」と、そこまで期待はしていなかった。

 けれど、意外や意外、スピード重視に多彩なサーヴァントの動きと、ゲームとしても十分楽しめる内容でしたね。

 自分は無双ゲーをしたことがないので、他のものと比較は出来ないのですが、陣取りの要素も強く程々に緊張感を持って出来たのかなと。

 ただ、メイン4+サブ13というキャラ数の割にステージ数が少なく、ミッションも同じようになってくるので後半の作業感が辛かったり。

 セイバー陣営なんて、何回エリちゃんのライブ聞かせるんだよとだれてきた部分もありましたね……。

 後、メインとサブでキャラの操作性が違い過ぎるのもマイナス。

 サブのキャラはそこまで攻撃パターンが多くないんですよね。

 人気キャラが多いだけに、何とも惜しいなと。

 けどまあ、アクション目当てでやるゲームではないと思うので、そこを考慮すれば支障はないと思います。

 

 

キャラクターについて

 これも詳しくは公式サイト等でチェックしてもらえれば良いかと。

 キャラの魅力に関してはほんと折り紙付。

 EXTRAから続投のネロや玉藻の前は当然として、サブに降格してしまった無銘にその他大勢のキャラも活き活きと描かれており、品質は安定していましたね。

 そして何と言っても真ヒロイン、アルテラ!

 製作の都合上、ソシャゲの『Fate/Grand Order』が初出となり、よく分からないけどとりあえず“文明を破壊する”人というネタキャラ扱いすら受けてしまっていたこのアルテラ。

 当初がメインヒロインと聞いてもピンときませんでしたが、プレイし終えた今となってはネロや玉藻以上に型月ヒロインをしていてもうどうしたもんかと。

 しかも、巨神アルテラに英霊アルテラ、極めつけはロリアルテラと様々な属性を網羅してしまったこの向かうところ敵なし感(個人的に、ロリアルテラは見てると複雑な気持ちになるんですけどね。この子と、今まで一緒に過ごしてきたアルテラは同じだけどやっぱり違うものだと思ってしまうので)。

 EXTELLAという作品はアルテラのためにあるようなもの!

 まあ話し出せばアルテラの話しかしなくなると思いますが、EXTRAシリーズの顔であるネロの活躍もまた素晴らしかった。

 彼女がいなければアルテラは救われなかったと思うし、その器の大きさも垣間見ることが出来て良かったですね。

 後はひたすら、メインが可愛く描かれていたので“これなんてギャルゲ?”状態で、ネロや玉藻が嫁な人は堪らないんじゃないでしょうか(※Fateは元々、大きく分類するならギャルゲです)。

 ただまあ、キャラによる扱いの差があるのが玉に瑕。

 サブに回ったサーヴァントはそれぞれのシナリオも短く、本当におまけ程度(前作で専用ルートがあった無銘やギルまでも)。

 そればかりか、前述したEXTRAの再構築に伴い、ネロがメインサーヴァント、玉藻がサブサーヴァントいう立ち位置になってしまったので玉藻ファンはショックが大きかったようで。

 メインシナリオでも、最終的にネロは大活躍するけれど玉藻はお留守番という立場。

 このあたりのアゲサゲともとれる扱いは思うところある人多いでしょうねぇ。

 扱いの差とは言っても、ネロ編は悲劇的に終わったのに対し、玉藻編は「何だこのイチャイチャ夫婦」っていうぐらい幸せに終わったので、蔑ろにされたわけでもないと思うんですよねぇ。

 加えて、ネロや玉藻に関してはEXTRA、CCCと掘り下げはしっかりされてて、これ以上何すんだってとこまで来てたので新しいシナリオを用意する必要性は感じられなかった。

 だから、アルテラをメインに据えた以上、これはまあ順当な扱いだったのではないかと思いますけどね。

 

 

シナリオについて

 最初に難点から。

 PV等を見る限り、三陣営の内からどれか選ぶという印象を受けた人も多いと思うんですが、ネロ→玉藻→アルテラ→trueとルートは固定されています。

 シナリオ、設定上は仕方ないことなんですが、「俺は玉藻一筋だぜ!」という人はがっかりしたでしょうね。

 しかも、ネロ、玉藻ルートはEXTELLAという枠組みを説明するようなシナリオで、アルテラが関わらないところではひたすらキャラが可愛いだけ。

 がっつりシリアス求めていた人は「何だこれ……」と思ってしまうかもしれませんね(EXTRA自体マイルームの会話がギャルゲちっくだったので違和感は覚えなかったのですが、確かに前作はパートナーの心に踏み込んでいくという面もあったものなぁ)。

 加えて、ネロ、玉藻は大きな展開がほとんど同じ。

 お互いの陣営と戦う→決着が着く→アルテラ陣営出現→アルテラとの対決→セファールとの戦闘、と。

 ミッションがあるとはいえやることが同じゲーム性とも相まって、ダレに繋がる要因だったように思いますね……。

 この辺りがやっててストレス溜まってくるんですよね。

 クソって程でもないのが、余計に惜しいなと。

 

 とまあ、これくらい言っておけば、後はベタ褒めしても大丈夫でしょう。

 以下、信者の一人ごとが始まります笑。

 

 EXTELLAは何と言っても、アルテラのお話。

 

 彼女は一万四千年前にやってきた文明を破壊する遊星の尖兵。

 破壊するためだけに産み出され、人類と敵対することを余儀なくされた怪物。

 そんな彼女だが、何の因果か地上に落し、敗北した分体が人間としての人生を送ってしまう。

 フン族の王、“アッティラ”となって。

 その一生は、厳密には月に落とされた本体たる彼女には関係のないもの。

 ただ、夢で見ただけの幻想。

 それでも、彼女は地上を生きた別の“彼女”に己を重ね、憧れを抱いてしまう。

 そして、一万と四千年に渡る孤独も。

 だから主人公との出会いは、彼女にとっては得難い宝物のようなもの。

 とある理由により、精神、魂、肉体に分かれたうちの肉体としての主人公。

 空っぽの彼(彼女)は、真っ直ぐにアルテラと対話し、理解していく。

 アルテラもまた、彼(彼女)に対する想いを強くしていく。

 確かに、アルテラは人類、文明を持つ知性体にとっての敵だ。

 けれど、それはあくまで遊星の尖兵としての役割に過ぎない。

 なら、彼女の心は、気持ちはどうなのだろう。

 本当に、文明の破壊を望んでいるのだろうか。

 そのような想いを抱いた主人公は、アルテラを救う方法を模索していく。

 

 この物語には奈須作品の美しさが多分に描かれています。

 奈須作品の魅力は何といっても、何でもないことの尊さを描いていること。

 確かに、奈須作品を語る上でそのハイセンスな厨二力、設定力、キャラの魅力というのは外せません。

 ただ、それを踏まえた上で描かれる、超越者から見たちっぽけな人間のちっぽけな幸せ……何でもないことの尊さというのは非常にくるものがある。

 こればかりは、説明して納得してもらうものではないと思うので、是非『空の境界』なり『月姫』なり『Fate』なりを通して実感してもらいたい! 

 ……とまあ、たぶんこれは長くなるのでEXTELLAに話を戻しますが。

文明を破壊するということこそが存在理由なのに、アルテラはそれと相反するささやかな願い――かつて地上を生きた分体が歩いた空の下を歩いたり、主人公との何気ない触れ合いの時間を続けたいなどという想い――を抱くようになってしまう。

その切なさを、もうどう表現したものか。

このような想いに、何も思わずにいられようか! 

しかも、最後までやったからといって、厳密に彼女の想いが叶えられることはない。

詳細は省くけれど、肉体の主人公はアルテラを救うために消えてしまい、アルテラ自身も、丸っきり同じカタチで残ることは出来なかった。

ただ、それでも。

アルテラの見た夢は、きちんと残った。

遊星の尖兵ではなく、セラフに新たな命として産まれ落ちたアルテラはこれからきっと、肉体の主人公と過ごしたアルテラでは叶えられなかったことをたくさん、叶えていくのだと思う。

そう、信じたい。

 

 

総評

 ゲームとしては色々と改善点はあると思うし、キャラやシナリオにしても過去作からやり続けているからこそ思うところはあると思います。

 けど、それを踏まえても十分に楽しめたし、何よりアルテラとの出会えたことが素晴らしかったですね。

「それってきのこが昔から描いてきたことと同じじゃない?」

「今更、同じ話読んでもつまんなくない?」

 という意見も当然出てくるとは思うけれど、違う、そうじゃないんだ。

 この感覚だけは、自分の拙い文章で伝えきれるものじゃないと思うので、気にはなるけどやってない人は是非プレイしてみてください。

 きっと、アルテラを好きになるはず。

 

 

 

追記

 ところで、FGOのアルテラピックアップはまたやらないんですか?

 あのアルテラを通じた救いを求める妄想が止まらないんですが。