りぷろぐ

せつな系創作団体「Repro」のBlogです!

第四回文学フリマ大阪 感想 by綾町 ‐紙魚を食べる虫‐

 第四回文学フリマ大阪、参加してきました!

 REPRO自体は何度か参加していますが、私自身は初参加でした。想像以上にたくさんのサークルさんが参加されて、こう静かな熱気とかがむんむんしていました。

 大学の懐かしい面々と久しぶりに会えたり、お隣の「庵 de 大熊猫」さん

http://independa.xxxxxxxx.jp/index.html

が飴をくださったり、謎のマスクを被った「はぐれ文芸部X」の代表さん

はぐれ文芸部X@文フリ大阪I-08 (@hagubunX) | Twitter

に出会えたり、小説同人誌mon

小説同人誌mon (@doujinmon) | Twitter

の望月さんが「見た感じは明るいんですけれど、書くものは暗いんです!」と力説しながら勧めてくださったり、と色々と濃くて面白かったです。

 逆に自分たちが薄すぎるなーというのも思いましたし、もっと頑張らねばとも感じて、創作意欲が湧きました!

 次は第一回文フリ京都に参加することが決定しましたので、そちらに向けて頑張っていきたいですね!

 

 で、幾つか戦利品を手に入れたので今、読んでいるところなんですが、せっかくなので感想をぽつぽつ書いていこうかな、と。

 

  とりあえず今、読み終えたのは紙魚を食べる虫さんの「WORLD ENDS」。

 

  タイトル通り、世界の終わりに際して起こるドラマを描いた短編集です。

 

  世界の終わりと言えば、伊坂幸太郎の「終末のフール」を思い出しますね。

 

  4編の短編集になっていて、でも、どの作品も終末世界の退廃感を背負っているようなそんな印象を受けました。

  やはり、明日世界が終わる、といった状況に追い込まれれば嫌でも何かを選ぶ必要がある。もちろん、選ばないという選択もあるんですけれど、先延ばしには出来ない。

 だって、明日には世界が終わってしまうのですから。

 その中だからこそ気付くことや見えるものがあって、それを各著者の感性で描いていて、その違いが面白かったです。

 

 個人的に一番上手いと思ったのは「落日」で、話しとしては一番短いのですが、描写の書き込みが素晴らしい。これだけ短い話で、けれど、しっかりと情景が浮かんできて、というのはやはり上手いとしか言いようがないと感じました。

 それに、きちんとした選択も出来ず、ただただ流されていく、というのがリアルで刺さったかな、と。

 それともう一遍、「終わる世界でいつまでも」はなんというかギャップが魅力かな、と。ファンタジー世界ですごく遠い世界の話から始まって、けれど、結末はすごく自分に近しい感情を突かれるという流れが魅力的でした。

   

 ということで、感想は以上!

 世界の終わりという題材はすごく魅力的で、REPROでもいつか書いてみたいですね。

 漫画「釣りバカ日誌」の中で、とても好きなエピソードがあるんですが、ハマちゃんの上司である佐々木部長が自分が末期のガンだと勘違いするんです。

 そうすると急に人格が変わって、上にはへつらわずにしっかり意見を言うし、部下には優しいし、といった素晴らしい人になります。そして、社長の甥っ子ではなく、自分がお世話になったたたき上げの上司が後継者になれるように各所に対して働きかけ、とすごくかっこいいんです。けれど、最終的には自分がガンでないと気付いて元に戻ってしまうんですけれど。

 

 世界の終わりというとすごく絶望的に感じるんですけれど、実は終わりが見えているというのは前向きにとらえればすごいエネルギーになります。

 そう言ったことを小説の中で書いてみたいな、と思いました。

                                  綾町 長